構 え
 常歩の基礎・歩き方をある程度マスターできたら、その動きを剣道に転化しましょう。まずは、構えです。常歩の基礎の「たち方」のコーナーをもう一度参照してください。常歩(なみあし)剣道の構えは、立ち方の延長です。ここでは。「腰を入れる」ということについて考えてみましょう。よく、剣道の構えで「腰を入れよ」という教えがあります。

 「腰を入れなさい」というと、皆さんどのようにされるでしょうか。多くの方が、お腹(腰)を前方に押し出して構えます。そして、打突でも腰を前方に押し出して打ちます。しかし、これでは合理的な身体操作にはなりません。
 「腰を入れる」という本来の意味は、身体の中に腰(骨盤)を収めるということだと思われます。

 歩くのコーナーでもモデルになっていただいた、Sさんに再び登場していただきましょう。彼は、骨盤の位置を身体の中に収めることによって、劇的に剣道が変化したと語っておられます。
 左の構えをみてください。稽古着・袴ではありませんので構えの特徴がよく分かります。これは、S氏が常歩(なみあし)を学ぶ前の構えです。

 腰を前方に押し出しています。彼の場合は骨盤が後傾していました。

 私は、骨盤を前傾させるようにアドバイスしました。ここで注意が必要なのは、腰を前方に押し出しときに、骨盤が前傾する人と後傾する人がいるということです。

 よって、人によってアドバイスの仕方は異なります。
 下の構えは、S氏の現在の構えです。身体が垂直に保たれていることが分かります。後傾していた骨盤を前傾させました。

 このように構えると、最初は随分頼りなく、またゴルフのアドレスのように前傾しているように感じます。しかし、それは骨盤が前傾したことによるもので、実際は地面に対して垂直に理想的な構えになっています。

 さらに、このように構えると左踵が接地するほうが自然なのです。彼も、構えを変えることによって、左踵が接地したと語っています。
 さあ、もう一度ご自分の構えを見直してみましょう。腰を身体の中に収めましょう。